以前の記事でドリフト用ラジコンのメカニクス類を紹介してきました。
サーボ、ジャイロ、ESCを紹介してきましたので、今回は最後のメカニクスであるモーターについて紹介していきます。

現在、ラジドリでは95%以上の人がブラシレスモーターを採用しています。
ブラシモーターは安価で扱いやすいのが特徴ですが、走行性能が低くメンテナンスが必要なのとブラシモーター用の高性能ESCが市場にないため、必然的にブラシレスが主流になっています。
今回は、そんなモーターについて学んでいきおすすめのモーターを紹介していきます。
ラジコンドリフトにおけるモーターの役割とは?
ラジコンドリフトにおいて、モーターはマシンの動力源として非常に重要な役割を担います。
モーターの性能によって、加速の鋭さやスロットルレスポンス、さらにはドリフト中のコントロール性までもが大きく変わってきます。
特にドリフト走行では、常に車体の向きが変化するため、繊細なスロットル操作が求められます。
つまり、モーターはただ速く回れば良いというわけではなく、トルクの出方や回転の立ち上がりの特性が重要になります。
ドリフト向けのモーターは、スムーズな立ち上がりと一定のトルクを維持できる性能が必要です。
また、スロットルの入力に対してリニアに反応することで、ドライバーはマシンを思い通りにコントロールしやすくなります。
そのため、ドリフト専用として設計されたモーターは、一般的なオンロード用とは異なる特性を持っており、特に初心者には最適なモーター選びが重要になります。
ブラシ?orブラシレス?初心者が知っておきたいモーターの種類と違い
モーターには大きく分けて「ブラシモーター」と「ブラシレスモーター」の2種類があります。
初心者の方がラジコンドリフトを始めるにあたり、この2つの違いを理解しておくことはとても重要です。
ブラシモーターは、構造がシンプルで価格も安く、入門用のマシンに多く採用されています。
ただし、摩耗しやすく、定期的なメンテナンス(ブラシやコミュテーターの清掃・交換)が必要です。また、パワーや効率面でやや劣ります。
一方、ブラシレスモーターは、メンテナンスフリーで高効率・高出力が特徴です。長時間の使用でも性能が落ちにくく、スムーズな出力特性からドリフト走行に向いています。
ただし、価格は高めで、対応するESC(アンプ)が必要になります。
また、モーターの特性を示す指標として「ターン数(T)」や「KV値」があります。
ターン数が少ないほど高回転・高出力となり、ドリフトでは10.5T〜13.5Tあたりが扱いやすいとされています。
KV値は電圧あたりの回転数を示すもので、こちらも性能選びの基準になります。
初心者におすすめのラジコンドリフト用モーター3選
ここでは初心者にも扱いやすく、コストパフォーマンスに優れたおすすめモーターを3つご紹介します。
1. ヨコモ ドリフトパフォーマンス モーター(10.5T)

ヨコモが展開するドリフト専用モーター。スムーズなスロットルレスポンスとトルク感があり、初心者でも扱いやすいモデルです。
ESCとの相性も良く、同社製アンプと組み合わせれば安定したドリフト走行が可能です。

ちなみに、先生はラジドリデビューのときからこのモーターを使用しているよ。
今でも愛用していて、大会の予選にもこのモーターで出場するからそれぐらい性能がしっかりとしていておすすめのモーターだよ。
ターン数が15.5T,13.5T,11.5Tが発売されています。

残念ながら10.5Tは新しいモーターの発売とともに絶版になってしまったので、欲しい人は在庫があるうちに購入することをおすすめするよ
2. タミヤ ブラシレスモーター 15.5T

タミヤ製のブラシレスモーターもおすすめです。
スロットル操作しやすく、価格も比較的リーズナブル。信頼性が高く、長く使えるのも魅力です。
一方でこのモーターはドリフト用モーターではないので、スロットルレスポンスやトルクの面を考えると今後買い替える必要のあるモーターと言えます。
とりあえず始めてみたい!という初心者には安価でおすすめできます。

モーター購入時の注意点:ABCケーブルが接続されているか
初心者に注意して欲しいのが、モーターにABCケーブルが接続されているかどうかです。
ABCケーブルは、青黄色オレンジのケーブルです。

このケーブルの色と接続を間違えやすいから、先生は青黄色オレンジの頭文字をとって「ABCあきお」と覚えているよ!
上に紹介した2つの製品でいうと、ヨコモの方のモーターはABCケーブルが接続されていないので自分でハンダつけするか、お店にハンダを依頼する必要があります。
一方で、タミヤのモーターにはABCケーブルが既にハンダされているので、ESCとプラグ接続するだけで使用することができます。
ハンダつけに抵抗がある人や初心者は、まずはABCケーブルがハンダつけされているタイプのモーターから始めるといいでしょう。
ESCとモーターのコンボセットもおすすめ

ジーフォース BLC50 Combo-T 13.5T G0370
こちらのコンボセットは、ラジコン界のベストバリューモデルとして知られているESCとモーターのコンボセットです。
ブラシモーターデビューする初心者のために、ESCも既に接続ずみでESCのプログラムも書き換えられます。
15000円弱で購入することもできるので、個別にモーターとESCを購入するよりかは手頃な価格で入手でき、扱いやすくコスパが非常に良いのが特徴です。
どちらかというとオンロードラジコンで使用されている割合が高いですが、ラジドリ初心者なら不足のないコンボセットですのでおすすめです。

モーター選びで失敗しないためのポイント
ここからは、モーター選びで失敗しないためのポイントを2点紹介していきます。
最初はどのモーターを選んでいいか自分で判別することは難しいと思うので、
有名ブランドの13.5Tを選んでおけば扱いにくくて苦労するということはないと思います。
ターン数だけで選ばない
初心者がモーター選びで失敗しがちなのは、「数字だけを見て選んでしまう」ことです。
例えば、ターン数が少ない(=高出力)からといって必ずしも扱いやすいわけではありません。
むしろ初心者には、扱いやすさやコントロール性が優先されるべきです。
初心者で多いのが、ターン数を小さくしてとにかくモーターの性能でどうにかしようと考えてしまうことです。
あえて、ターン数だけで初心者におすすめするならば13.5Tがおすすめです。
13.5Tのブラシレスモーターなら初心者からずっと使い続けられます。
一方で8.5T以下ですとレスポンスが高まるので操作が難しくなりやすく、17.5T以上のターン数だと遅すぎてドリフトするのが逆に難しくなるので初心者にはおすすめできません。
有名メーカーから発売されているものを選ぶ
最後に重要なのがブランドの信頼性。
無名ブランドの激安品には性能のバラつきやトラブルの報告も多く、初心者が手を出すにはリスクがあります。
ヨコモやタミヤといった信頼できるメーカーを選ぶのが安心です。
モーターの冷却も忘れずに
モーターの冷却も忘れてはいけません。
熱を持ちすぎると効率が落ち、最悪の場合故障します。
ファンを使って冷却対策をすることも大切です。
特に夏場など、空調の効きが悪いようなサーキットで走行していた場合モーターの温度は簡単に60度を越えてきます。
クーリングファンを取り付け、モーターを冷却できるようにしましょう。
まとめ|最初の1台に最適なモーターを選ぼう
ラジコンドリフトの世界において、モーターは単なるパーツ以上の存在です。
特に初心者にとっては、モーター選びが走行の楽しさや成長スピードを大きく左右します。
ブラシレスモーターを中心に、スムーズなレスポンスとトルク感を持つモデルを選べば、ドリフト走行がグッと楽しくなります。
また、適切なセッティングや冷却対策を施すことで、マシンの性能を最大限に引き出すことができます。
今回ご紹介した内容を参考に、自分に合ったモーターを選び、楽しいラジコンドリフトライフの第一歩を踏み出してみてください。
